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オフィスの防災

オフィス防災の意義

オフィス防災は、大きく分けると2つの点があります。まずは、災害による被害を最小限にすること、そして、企業が災害から早期回復して事業継続することです。

災害による被害を抑えるために、内閣府が推進している企業防災(オフィス防災)は、政策の1つです。その中で、災害時において企業が以下の4つの点を果たすことが期待されています。

・生命の安全確保
・二次災害の防止
・地域貢献・地域との共生
・事業の継続

過ごす時間が多いオフィスにおいて、従業員が防災の取り組みを行うことで、企業全体が役割を果たせます。

オフィス防災で見るべき10のポイント

 パソコンやキャビネット、コピー機などの固定

地震の際にはオフィス家具や家電製品が落下したり、ずれてしまったりする可能性があります。そのため、身の回りのオフィス用品を固定しておくことは大切です。

特に高層階にオフィスがあるなら、揺れが大きくなることが多いため、本棚やキャビネットなどの重量があるものは確実に固定しておきましょう。窓ガラスがあるタイプのオフィス家具なら、ガラスの飛散対策をしておきます。

デスクの上のおいているパソコンの固定方法も確認しておきましょう。揺れが大きいほど落下のリスクは高くなるため、よくチェックしておきます。

データのバックアップ

企業が業務を行うために欠かせないのがパソコンですが、災害が発生すると停電になることがあります。瞬時に電源が落ちてしまうため、データが消失してしまうリスクがあるのです。

事前にデータのバックアップをとっておくこと、また停電が発生しても非常用電源などで最新のバックアップがとれるようにしておきましょう。

企業の重要なデータは、遠隔地でバックアップもとれるようにしておいたり、クラウドサービスの利用も有効な方法です。

避難経路

避難経路の空間が確保されていることも確認しておきましょう。出入り口や廊下、さらに階段に荷物を置いていることもあるでしょう。

緊急時には避難経路に置かれているものが避難の妨げとなります。定期的にオフィスから非常口までの経路を確認しておき、スムーズに避難できるか見ておきます。

防災備品・危険物の場所を周知

災害に備えた防災備品を用意しているなら、視覚的に分かりやすい場所に保管するようにしましょう。防災マップを掲示したり見やすい位置に防災備品のアイコンなどを貼ったりすると、非常時に素早く取り出せます。

普段から見える位置に、防災備品を置いておくのも、視覚的に従業員に周知する方法ともいえます。保管場所を考慮する際に、見える位置を選択肢に含めるのもよいでしょう。

地震が発生した場合、灯油や燃料などの危険物が入っている容器は落下した際に火災のリスクがあります。地震が発生しても容器が転倒しないか、また落下の可能性がないか確認して、必要な対策を行います。

非常用の食料・備品の用意

帰宅困難になった場合には、社内に滞在することとなります。そのために、従業員分の非常用の食料や備品を用意しておく必要があります。食料や飲料、医薬品などが必要になるでしょう。

セットにして保管しておきますが、あまりにも奥に保管していると非常時に取り出しにくくなります。取り出しやすい位置に保管しておき、定期的に食料の期限が切れていないか確認しておきましょう。

食料や飲料は、3日分を目安に準備しておきます。企業によって必要な数は異なりますが、全従業員分の食料や備品を用意しておきましょう。

帰宅困難者の想定

災害が発生すると、公共の交通機関が停止することもあるため、帰宅困難者が発生します。自宅から職場まで離れている人ほど、帰宅困難者になる可能性があります。

災害時には、混乱防止のために「一斉帰宅抑制」されることもあるでしょう。そのため、従業員が安全に帰宅できるように、簡易食料などの帰宅支援キットなどを用意しておくのもよいでしょう。

さらに従業員が歩きやすい靴を用意しておいたり、徒歩の場合の帰宅経路を確認することも大切です。

防災に関わる役割分担

防災においては日頃の役割分担の他に、初期消火や避難誘導など災害時の役割分担を行っておきます。事前に指揮を執るリーダーを決めておくなら、スムーズに対処できるでしょう。

定期的に役割分担の確認をしたり、防災訓練の際に役割別の動きの確認をしておきます。

安否確認を含めた、情報収集・コミュニケーション手段

災害時に従業員の安否確認をしたり、コミュニケーション手段を確保したりする方法を考えておきましょう。情報をスムーズに集められるように、担当者が情報を収集するようにします。

ラジオやインターネット、さらにトランシーバーや拡声器などさまざまな方法でコミュニケーションをとれるか考えておきましょう。

訓練の実施

定期的に防災訓練することも必要です。災害時にどのような方法で避難するのか、また初期消火から救出、避難や情報収集など、一連の流れをシミュレーションして訓練します。

複数の企業が入っているオフィスであれば、管理会社や入居企業との防災計画を共有したり、役割分担したりしておきましょう。

オフィス外との連携

企業も地域の一員となっているため、周辺地域との連携も欠かせません。企業から地域の防災訓練に参加しておくなら、緊急時にどのように協力できるか確認できます。

また、企業によっては顧客や訪問客がいる施設の可能性もあるでしょう。どのように対応するのか、事前に情報共有しておきます。

オフィスにおける災害別の対策

地震

地震の対策として、家具の固定を優先的に行いましょう。重量や高さがある家具は、倒れてきたときに被害を引き起こすため、つっばり棒やL字金具で固定するようにします。

またパソコンやコピー機などは、バンドなどで固定するようにします。窓ガラスがあるものには、飛散防止フィルムを貼るのもよい方法です。

火災

火災対策として、コンセントからの発火のリスクを抑えましょう。電源タップも誤って使用すると、火災の原因となりえます。

使わないコンセントはキャップで塞いだり、定期的に清掃するようにします。また、電源タップの使用容量を守ることも火災を防ぐ対策です。

火災が起きたときでも、初期消火すると被害を最小限に抑えられます。消火設備や消火器の使い方を日頃から訓練しておき、迅速に消火活動を行えるようにします。

消火設備は法律で定期的に管理したり、点検することが定められているため、きちんと点検しましょう。

水害

国内では水害も多いため、対策を施しておきましょう。水害対策をしていないと、事業継続に不可欠な設備や機械が故障して使えなくなります。たとえば、企業のデータを保管するのに大切な設備やサーバーは高層階におくようにしたり、浸水対策グッズなどで水害に備えます。

土のうや止水板などは、建物への侵入を防げます。また、水害時には排水口やトイレの逆流にも注意しましょう。水害が発生したときの対処方法を考慮しておきます。

水害の影響を受けやすいエリアに事務所があるなら、保険に加入しておくのも対策方法です。

用意すべき備品の例

オフィスに備蓄しておくべき備品は、目安として滞在している人数の3日分の水や食料です。災害が発生してから支援物資が届くまでの期間は3日とされています。そのため、3日分の食料や水だけでなく日用品をオフィス内部に用意しておくとよいでしょう。

上記のものを用意しておき、災害時に備えておきましょう。災害時にオフィスにいる人の人数の増減に対応できるように、1割ほど多めに備蓄しておくのもおすすめします。

オフィス防災の事例

地域合同の防災訓練

災害対策として掲げられる、自助・共助・公助。この3つを一体化させる取り組みを行っているのがダイキン工業株式会社です。地域と消防署と三者合同で防災訓練を実施しています。

災害時どのように協力できるのか、定期的な防災訓練をとおして、確認するのも良いでしょう。

参照元:内閣府 防災情報のページ(https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h24/68/special_01.html

「共助」をテーマにした防災訓練

防災訓練の際には、周辺企業や住民と「共助」することを目的として参加するのも大切です。災害の後いち早く復興するためには企業と地域の協力が欠かせません。

三菱地所株式会社では、全社員参加しての防災訓練を実施。また、共助の一環として、地域の帰宅困難者対応訓練も行っています。有事の際は地域の一員として、人々の安全確保に協力できる企業であれると望ましいでしょう。

参照元:内閣府 防災情報のページ(https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h24/68/special_01.html

備蓄品の管理方法を明確にした

広成建設株式会社では、防災対策として備蓄スペースを確保し倉庫内の収納庫マップを掲示。被災時にも分かりやすい動線がすぐに理解できるだけでなく、必要な転倒防止策も実施しています。

参照元:コクヨ公式サイト 本社・拠点オフィスの防災対策(https://www.kokuyo-marketing.co.jp/jirei/cat4/post-32/

リアリティ追求のため、台本を用意しない避難訓練

プルデンシャル生命保険株式会社では、リアリティ追求のために台本がない避難訓練を実施しています。これにより、実践さながらの訓練になり、従業員の危機管理能力向上を促進しています。

参照元:【PDF】内閣官房 国土強靱化 民間の取組事例集(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/minkan_torikumi/pdf/2004.pdf
活用シーン別
業務用ポータブル電源 3選

BCP・非常用の【安定稼働】な
業務用ポータブル電源

IPS-3000A
(株式会社アイ・ディー・エクス)

株式会社アイ・ディー・エクスのポータブル電源

引用元:「株式会社アイ・ディー・エクス 公式HP」https://www.idx.tv/products/index.php/item?id=573
製品の特徴
9種の保護回路搭載で安心
日本製&日本での保守対応
重さ:55kg
容量:3,000Wh
出力:3,000w

長時間使用する方用の【大容量】な
業務用ポータブル電源

EPU-8125
(株式会社エジソンパワー)

産業用蓄電池開発・製造センター.comのポータブル電源

製品の特徴
バッテリー容量8,155Wh
省エネに優れた給電方式
保護回路の種類数:記載無
重さ:約110kg
出力:2500w

日常的に使用する方用の【超軽量】
な業務用ポータブル電源

BN-RB10-C
(株式会社JVCケンウッド)

株式会社JVCケンウッド 公式HPのポータブル電源

引用元:「株式会社JVCケンウッド 公式HP」https://www.jvc.com/jp/portable-power-supply/lineup/bn-rb10-c/
製品の特徴
本体重量わずか10.9kg
ハンドル収納でコンパクト
保護回路の種類数:4種類
容量:1002Wh
出力:1000w

※2021年6月25日時点、公式HPに活用事例が掲載されている企業の中から、それぞれ以下の基準で選定しました。
・BCP対策や非常用にオススメの電源:バッテリー内の保護回路の種類が一番多かったもの
・イベントなど長時間の使用にオススメの電源:バッテリー容量が一番大きかったもの
・日常的な用途にオススメの電源:重量が一番軽かったもの