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蓄電池(ポータブル電源)の種類は?

蓄電池には、スタンドアロン型(独立型)と系統連系型の2種があり、一般的にポータブル電源と呼ばれるものは可搬型の蓄電池のことで、スタンドアロン型(独立型)蓄電池に属します。それぞれの充電方法やシステムの違いについて解説しています。どの種類の蓄電池を選べばいいのか検討している方はぜひ参考にしてください。

またポータブル電源を検討している方に向けて、ポータブル電源に使用される電池の種類についての特性もまとめています。

蓄電池の種類

蓄電池には、目的に合わせて充電方法が異なる2つのタイプがあります。

スタンドアロン型(独立型)、系統連携型のそれぞれの種類をご紹介しましょう。

スタンドアロン型

スタンドアロン型はコンセントから充電して電力を蓄えておき、停電時にバックアップ電源にするタイプです。一般的にポータブル電源と呼ばれるのは、このタイプの蓄電池です。スタンドアロン型は移動させて利用できる物が多く、持ち運びしやすいことが特徴となっています。コンセントから充電することが多いですが、商品によってはソーラーパネルに接続して充電することも可能です。

系統連携型

系統連携型の蓄電池は、電気工事を行い電力系統に接続して利用するタイプの蓄電池です。電力会社から供給される電力や太陽光発電から充電するため、大容量になっているものが一般的です。工事を行って接続されているため「定置用蓄電池」とも呼ばれ、名前の通り動かすことはできません。停電時に備えたり太陽光発電と連携して利用したりする蓄電池です。

スタンドアロン型と系統連系型の比較表

種類 容量 特徴 停電
スタンドアロン型
(独立型)
1.3~3kWh 重量が軽くコンパクト
移動が容易にできる
短時間利用できる
バックアップに利用できるタイプもある
系統連携型

4 ~16kWh

容量が大きく重い
定置して使用する
太陽光発電と組み合わせられる
バックアップに対応できる
長時間可動させられる

手軽に導入するならスタンドアロン型(ポータブル電源)がおすすめ

スタンドアロン型の蓄電池はコンパクトなので、手軽に導入したい方におすすめできる蓄電池です。系統連携型は、大容量の蓄電池を採用していることがメリットですが、導入に多額の費用を要する点、設置場所から移動させられず使用範囲が限られてしまう点が特徴です。スタンドアロン型の蓄電池は、用途に合わせて蓄電池の容量が選択できるため、予算に合わせて様々な選択肢が用意されています。

ポータブル電源の電池の種類

ポータブル電源に採用される電池は大きく分けると3種類あります。主流のものもありますが他のタイプでも目的に合わせて利用できるため特性を理解しておくのは大切です。

繰り返し充電に強いリチウムイオン電池

家電製品に採用されているリチウムイオン電池は軽量・コンパクトであることが大きな特徴です。正極にリチウム含有金属酸化物、負極にグラファイトなどの単素材、電解液に有機電解液が使用されています。急速充放電ができ、長時間放置されていても自己放電が少ないなど、据え置き型の電化製品に適した特性を持っています。

安全性を高めたリチウムポリマー電池

リチウムポリマー電池はリチウムイオン電池の1種ですが、安全性を高めたバッテリーです。液体を利用しているリチウムイオン電池に対して、リチウムポリマー電池はゲル状の電解質を使用して、電池をフィルムで包むようにしています。形状が自由になり軽量なことから、スマートフォンやノートパソコンなどに採用されています。

長寿命のリン酸鉄リチウム電池

リン酸鉄リチウム電池は、正極にマンガン酸、負極にチタン酸を使用した電池です。エネルギー密度が低いことがデメリットですが、安全性が高いため医療機器などに使用されています。

系統連携型の蓄電池の種類

系統連系型の蓄電池には、直流から交流に変換する機器(パワーコンディショナー)によって3つのタイプに分類されます。

単機能型蓄電池

蓄電池用のパワコンと太陽光発電システムのパワコンがそれぞれあるタイプの蓄電池です。太陽光発電システムを既に導入している場合、蓄電用パワコンは別に設置します。太陽光発電のパワコンが故障していても蓄電池を利用できるメリットがあります。一方で変換ロスがあるのはデメリットとなります。

ハイブリッド型蓄電池

蓄電池用と太陽光発電システム用のパワコンが一体になっています。双方向インバーターでDC充電できるため変換ロスが抑えられていること、また省スペースなことが特徴の蓄電池です。太陽光発電のパワコンの寿命が近づいている、太陽光発電システムの導入を検討している、という方にはおすすめのタイプです。

トライブリッド型蓄電池

蓄電池用パワコン、太陽発電用パワコン、さらにEV車用のパワコンがセットになっているタイプの蓄電池です。EV車の購入を検討しているなら、一体型になっているトライブリッド型蓄電池がよいでしょう。価格は高くなりますが、太陽光発電で発電した電気を蓄電池にためておき、夜間に電気自動車にエレムーブできるなど、便利な使い方ができます。

活用シーン別
業務用ポータブル電源 3選

BCP・非常用の【安定稼働】な
業務用ポータブル電源

IPS-3000A
(株式会社アイ・ディー・エクス)

株式会社アイ・ディー・エクスのポータブル電源

引用元:「株式会社アイ・ディー・エクス 公式HP」https://www.idx.tv/products/index.php/item?id=573
製品の特徴
9種の保護回路搭載で安心
日本製&日本での保守対応
重さ:55kg
容量:3,000Wh
出力:3,000w

長時間使用する方用の【大容量】な
業務用ポータブル電源

EPU-8125
(株式会社エジソンパワー)

産業用蓄電池開発・製造センター.comのポータブル電源

製品の特徴
バッテリー容量8,155Wh
省エネに優れた給電方式
保護回路の種類数:記載無
重さ:約110kg
出力:2500w

日常的に使用する方用の【超軽量】
な業務用ポータブル電源

BN-RB10-C
(株式会社JVCケンウッド)

株式会社JVCケンウッド 公式HPのポータブル電源

引用元:「株式会社JVCケンウッド 公式HP」https://www.jvc.com/jp/portable-power-supply/lineup/bn-rb10-c/
製品の特徴
本体重量わずか10.9kg
ハンドル収納でコンパクト
保護回路の種類数:4種類
容量:1002Wh
出力:1000w

※2021年6月25日時点、公式HPに活用事例が掲載されている企業の中から、それぞれ以下の基準で選定しました。
・BCP対策や非常用にオススメの電源:バッテリー内の保護回路の種類が一番多かったもの
・イベントなど長時間の使用にオススメの電源:バッテリー容量が一番大きかったもの
・日常的な用途にオススメの電源:重量が一番軽かったもの