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ポータブル電源の単位:Wh

ポータブル電源のスペックを比較する際によく目にする「Wh(ワットアワー)」という単位。これは、簡潔に言うと電源の容量を表します。電子機器を「どのくらいの時間」使えるのか判断するポイントとなるので、ここで単位の意味、計算方法をチェックしましょう。

ポータブル電源の容量を表す単位

ポータブル電源の容量を判断するための単位「Wh」や「mAh(ミリアンペアアワー)」は、どちらも容量を表す単位ですが、注目するポイントが異なります。簡単に言うと、消費電力に注目しているのか、流れる電流の量に注目しているのかの違いがあります。どのような意味があるのか理解しておくと、使用を想定している電化製品が使えるか判断できるでしょう。

「Wh(ワットアワー)」は電力量を表す

W:ワット(電力)と、h:アワー(時間)に注目して、バッテリー容量を表現しています。この単位は、何ワット(W)のものが、何時間(h)使えるかに注目している単位です。つまり、数値が大きいほど容量の大きいバッテリーだと分かります。電力を求める計算式は、以下の通りです。

例えば、400Whのポータブル電源で100Wの家電製品を利用する場合は、4時間使用可能です。同じポータブル電源で200Wの家電製品を利用した場合は、使用可能時間は2時間となります。実際の使用シーンでは、変換効率の違いがあるためスペック通りの使用時間になるとは限りませんが、おおよその比較は可能です。

また、実際にバッテリーを比較するときには、電圧の違いにも注目する必要があります。電化製品を使用するときには、ポータブル電源の容量と電気製品の消費電力を見比べれば、使用可能か判断できます。

「mAh(ミリアンペアワー)」は放電容量を表す

「mAh(ミリアンペアアワー)」放電容量を表します。Whは「消費電力が何Wのものを何時間使用できるか」であるのに対し、mAhは「何mAの電流を何時間流せるのか」を意味します。1mAの電流を、1時間流せる容量が1mAhです。

例えば、6000mAhのバッテリーで3A(3000mA)の機器を使用している場合、バッテリーを使い切るまでの時間の計算方法は以下の通りです。

大型の蓄電池では、表記が「Ah」となる場合がありますが、小型の電池では「mAh」という単位を使用するのが一般的です。注意点として、計算時には単位を合わせる必要があります。上記の場合は、3Aを3000mAに変換して計算することで正しい数値が算出できます。

「W(ワット)」は消費電力量を表す

ポータブル電源のスペックを比較する際に、ワット(W)という単位を目にすることがあります。これは、電力の大きさを表している単位で、消費電力を指しています。

1000Wと表記されているなら、1000Wの電力を消費する製品だということです。消費電力が大きいほど、使用する電力の大きな、電化製品だとわかります。

他に電力を表す単位として、VA(ボルトアンペア)がありますが、これはWとほぼ同じと考えられます。実際のスペックの数値に多少差異が発生しますが、これは交流電源を使用していることが原因です。

そのため、消費電力を比較するときには、Wで表記されている数値を比較するとよいでしょう。

「A(アンペア)」は電流のことを表す

アンペア(A)は、電流を表すのに使用されている単位で、この数値が大きいほど、「1秒間に流れる電気の量」が多いと分かります。

身近なところで使用されているのは、電気契約やスマートフォンの充電器です。電気の契約であれば、契約しているアンペア数が大きいほど料金が上がりますが、同時に使用できる電化製品が多くなります。許容されているアンペアよりも多く流れると、ブレーカーが落ちてしまいます。

またスマートフォンの充電器も、アンペア数が大きいほど充電完了までの時間が短いものが多くあります。アンペアの他には、小さい電流を表す単位としてミリアンペア(mA)があります。これは0.001Aのことです。

「V(ボルト)」は電圧のことを表す

ボルト(V)というのは、電圧を表す単位で、電気を押し出す力を表すものです。1Vという定義は、1Aの電流の中で2点の消費電力が1Wになるときの電圧です。

イメージしやすいのは水圧で、高い滝から落ちてくる水の方が押し出す力が大きくなります。電圧も高いほど、電流が大きくなります。

日本では、家庭用の電化製品は100Vです。しかし海外では、110Vや240Vなどさらに高圧になっているケースもあります。さらに乾電池などは、1.5Vの電圧です。小さな電圧でも動作する電化製品もあります。

活用シーン別
業務用ポータブル電源 3選

BCP・非常用の【安定稼働】な
業務用ポータブル電源

IPS-3000A
(株式会社アイ・ディー・エクス)

株式会社アイ・ディー・エクスのポータブル電源

引用元:「株式会社アイ・ディー・エクス 公式HP」https://www.idx.tv/products/index.php/item?id=573
製品の特徴
9種の保護回路搭載で安心
日本製&日本での保守対応
重さ:55kg
容量:3,000Wh
出力:3,000w

長時間使用する方用の【大容量】な
業務用ポータブル電源

EPU-8125
(株式会社エジソンパワー)

産業用蓄電池開発・製造センター.comのポータブル電源

製品の特徴
バッテリー容量8,155Wh
省エネに優れた給電方式
保護回路の種類数:記載無
重さ:約110kg
出力:2500w

日常的に使用する方用の【超軽量】
な業務用ポータブル電源

BN-RB10-C
(株式会社JVCケンウッド)

株式会社JVCケンウッド 公式HPのポータブル電源

引用元:「株式会社JVCケンウッド 公式HP」https://www.jvc.com/jp/portable-power-supply/lineup/bn-rb10-c/
製品の特徴
本体重量わずか10.9kg
ハンドル収納でコンパクト
保護回路の種類数:4種類
容量:1002Wh
出力:1000w

※2021年6月25日時点、公式HPに活用事例が掲載されている企業の中から、それぞれ以下の基準で選定しました。
・BCP対策や非常用にオススメの電源:バッテリー内の保護回路の種類が一番多かったもの
・イベントなど長時間の使用にオススメの電源:バッテリー容量が一番大きかったもの
・日常的な用途にオススメの電源:重量が一番軽かったもの