適材適所の業務用ポータブル電源その選び方とは? » どっちがいい?業務用ポータブル電源と発動発電機

どっちがいい?
業務用ポータブル電源

発動発電機

災害時の避難中やキャンプなど、屋外で電源を確保する必要が生じることがあります。たとえば冬のキャンプでは、電気ケトルを使えると温かい飲み物を簡単に作れるので便利です。災害時であれば、停電が長期間にわたることもあるため電源確保は急務。単に利便性を向上させるだけでなく、生命にもかかわる「暖を取るため」に屋外での電源確保が求められるシーンがあります。

非常用電源や、電源が確保できない場所での電化製品を使用する際に活用される業務用ポータブル電源と発動発電機。それぞれにメリットとデメリットがあり、活用できるシーンが違います。ここでは業務用ポータブル電源と発動発電機の違いやおすすめの活用シーンを紹介します。

業務用ポータブル電源と
発動発電機の違い・特徴

業務用ポータブル電源

業務用ポータブル電源は、あらかじめ充電しておき、必要に応じて持ち運んで使う、大きな電池のようなもの。スマートフォンやPCに使うモバイルバッテリーの大容量版、と言えばわかりやすいでしょうか。お家のコンセントに差し込むときと同様に、電化製品のプラグを差し込むだけですぐに給電してくれます。

業務用ポータブル電源は、発動発電機と違って燃料を使わないため、使用時の騒音や燃料のにおいも気になりません。したがって、企業のオフィスや病院、学校、イベントや撮影現場、あるいは災害時の避難所など、安全で静かに電気を使用したい環境にはピッタリです。最近では新型コロナウイルスワクチン保管のためのディープフリーザーのバックアップ電源としても使用されており、その活用の場はどんどん広がっています。

使用時間目安

使用時間目安は、バッテリー容量や、使用する機器の消費電力に左右されます。そのため、使用時間を算出するのは難しいです。電気を使い切っても、充電が可能なのであれば再度利用できます。「ポータブル」というだけあって、気軽に持ち運びしやすいサイズのバッテリーも多く出回っていますが、軽量=バッテリー容量も少ないため、その分使用時間は短くなってしまいます。

本サイトでも紹介している1000Wh以上の大型の業務用ポータブル電源であれば、軽量のポータブル電源ではネックになる使用時間の問題も解決できるでしょう。メーカーによって様々な容量のポータブル電源が出されていますので、屋外で使用したい機器や使用時間目安にあわせて、家庭用・業務用ポータブル電源から適切な選択をしましょう。

活用シーン

ポータブル電源は騒音が少ないため、静けさが求められる場面や、オフィスなどでも使用できます。特に業務用ポータブル電源の場合、停電などの電源障害が発生したときにパソコンやサーバーを守るUPS(無停電電源装置)の機能が搭載されているものも。不意に電源が切断されたときに、瞬時に電源供給方法が変わるため、大切なデータを破損から守るという用途もあります。

大型の業務用ポータブル電源なら、イベント会場での出店やキッチンカーなどで発電機の代用もできます。騒音や排気ガスが問題になるエリアでも、大型の業務用ポータブル電源なら問題ありません。

発動発電機

発動発電機はガソリンといった燃料を使って電気をつくり、電化製品を動作させるもので、ガソリンならではのパワーが特徴。しかし排気ガスが出るので室内での使用は不可。あくまで屋外専用のものと考えておきましょう。また業務用ポータブル電源と比べると稼働音も大きく、静かなところでは使いにくいという難点があるほか、ガソリンを使用するため安全性の面では業務用ポータブル電源には劣ってしまいます。

ただし、出力の大きさ寒冷地でも使用できるというメリットがあるので、使用するシーンによってはこちらに軍配が上がる場合も。選びながら使いこなしましょう。

発動発電機の使用をおすすめできるシーンとしては、工事現場やお祭りなど、屋外での騒がしい場所が考えられます。お祭りに行くと、屋台のそばで発電機が大きな音で作動しているのを見た経験はないでしょうか?あのような環境なら、出力の大きい発動発電機のほうが活躍してくれます。

使用時間目安

業務用ポータブル電源と比較して、発動発電機のメリットは連続運転時間が長いことです。充電容量に左右されないため、燃料さえあれば長時間運転させられます。途中で燃料を補給すれば、途中で電力が止まることもありません。

長時間型の発電機を選択すれば、無補給でも72時間以上利用できるものもあります。給油の手間を減少させながら、安定して電力供給できるでしょう。

発動発電機の中には、カセットボンベで発電するタイプも選択可能です。ガソリンよりも燃料確保や保管がしやすいものの、連続使用時間が短くなります。燃料を備蓄しやすいですが、使用時間の短くなる発電機のタイプです。

活用シーン

騒音が気にならないところでの活用が想定されています。屋外や排気ガスが気になりにくい、広いスペースがある所で使用します。一般的なのは、工事現場やお祭りの屋台など。

発電のパワーはあるため、出力が求められる電動工具を使用する場合に発動発電機を使用します。またポータブル電源と比較して、低温下でも問題なく使用できるため、寒冷地でも活用できます。

業務用ポータブル電源と
発動発電機の比較

業務用ポータブル電源 発動発電機
燃料 あらかじめ充電しておく
(ソーラー充電ができるものも)
ガソリン(カセットボンベが使えるものも)
パワー 発動発電機と比べると弱い パワー大、熱を発生させる家電もOK
定格出力 小さな電化製品に対応 消費電力が大きなものもOK
使用時間 充電容量に限られる 燃料がある限り長時間運転も可能
騒音 静か 騒がしい(70〜75db)
メンテナンス性 半年に一度はバッテリー残量の確認・充電が必要 長期間使用しない場合はガソリンを抜く必要あり
サイズ コンパクト 据え置きで大きなものが多い
重さ 軽量なものが多い 据え置き用で重いものが多い
室内での使用 可能 排気ガス・騒音のため難しい
おすすめの活用シーン オフィス、病院、学校、避難所など、
室内や安全性が求められる場所
工事現場や野外イベントなど、
屋外かつ騒音性が気にならない場所
寒冷地での使用 -10℃以下では性能が低下する可能性あり 問題なく使用できる

ポータブル電源と発電機、停電対策ならどっち?

停電は予期せず、突然発生するものだからこそ、平時に停電対策をする必要があります。非常時の電力供給の備えとして、ポータブル電源と発電機の両方が見られます。非常用電源として確保するならどちらがよいのか、選択するポイントをご紹介します。

停電用非常用電源を選ぶ4つのポイント

停電対策として非常用電源を選択する際は、以下の4つのポイントについて考えるようにしましょう。

コスト面でも機能面でも、ニーズに合った電源を選択する参考にしてください。

定格出力

定格出力とは安定して供給できる電力エネルギーの大きさのことです。定格出力が大きい非常用電源であれば、消費電力が大きい電化製品も使用できます。定格出力を上回る電力を消費するような電化製品は使用できないため、非常時に利用したい電子機器の電力の大きさは事前に確認しておきます。

また、電化製品を起動させる際には消費電力が増えるため、スペックの比較の際に注意する必要があります。停電時には複数の電化製品を同時に使うことも考えられるため、消費電力ぎりぎりの定格出力を選ぶのではなく、余裕のある電源が望ましいでしょう。

サイズや重さ

非常用電源を利用するシーンでは、電化製品を使いたいところにすぐに持ち運べるかも重要なポイント。災害が発生した際に、状況に合わせて移動させる必要があるからです。大型で、持ち運ぶのに苦労する重さでは、災害時に小回りが利かず困る可能性もあります。

とはいえ、軽量な非常用電源はそれだけ容量も小さくなるため、重さと容量のバランスが求められます。持ち運びしやすいサイズ・必要な電力のバランスを考えるようにしてください。

使用できる環境

非常用電源をどこで使用するかも大事なポイント。例えば、エンジン式の発電式は騒音や排気ガスの問題から屋内での使用ができません。あまりにも騒音が大きければ、避難所の近くでも使いにくいでしょう。

一方で蓄電池タイプはどこでも気軽に使用できますが、寒冷地などの低温下で性能を発揮できるかが問題となります。「非常時に使えない!」という事態にならないためにも、使用できる環境をよく確認しておきましょう。

メンテナンス性

非常時に問題なく動作するように、普段からのメンテナンスが必要です。非常用電源は定期的に使うものではないため、メンテナンスが大変でないものが望ましいでしょう。

ポータブル電源と発電機の比較ポイント

上記で紹介した項目別に、ポータブル電源と発電機を比較します。それぞれの強みを理解し、よりニーズに合った選択ができるようにしてください。

定格出力・パワー面では発電機

電力の面では、基本的に発電機の方が優位です。停電が長期化した場合でも、燃料を補給すれば十分な電力を供給できるのが発電機の強み。ポータブル電源の中には、太陽光で充電するソーラー充電に対応しているものもありますが、充電に時間がかかることが注意点です。

携帯しやすく小回りが利くのは業務用ポータブル電源

持ち運びやすさの点ではポータブル電源の軽量さが有利です。発電機はある程度の重量があるので、据え置き前提の設計になっているものが一般的。ポータブル電源はコンパクトなものも選択できるため、簡単に持ち運びできます。

室外で使えるなら発電機が丈夫。
室内なら業務用ポータブル電源だが、寒さに注意

使用環境の面で比較するなら、ポータブル電源のどこでも持ち運びして使える利便性は魅力的。発電機は排気ガスや騒音の問題があるため、使用できる場所が屋外に限られます。ただしポータブル電源のネックとして、寒冷地での使用が挙げられます。本来の性能が発揮できない恐れがあるため、使用が想定される環境の気温も計算に入れておきましょう。

業務用ポータブル電源の方がメンテナンスはラク

ポータブル電源は基本的にメンテナンスフリーです。しかし発電機は定期的にメンテナンスが必要です。

停電対策は場所に合わせて蓄電池と発電機を選ぶ

ポータブル電源と発電機にはそれぞれの特徴があるため、使用シーンに合わせて正しい選択をする必要があります。

家庭や店舗向きの蓄電池

ポータブル電源は騒音が発生せず、屋内でも使用できるため家庭や店舗への装備として確保しておくのに適しています。定格出力は抑えられているものの、個人使用では問題ないでしょう。

公共施設には発電機

発電機は定格出力が大きいため、集団で避難生活をする際に適しています。燃料が確保できれば、長時間の運転にも耐えられるので集団の電力を補えます。一方で容量の大きな業務用ポータブル電源であれば、屋内に避難した場合の対策となるでしょう。

トップページでは、
3つの活用シーンに合わせて、
オススメの業務用ポータブル電源を
紹介しています。

【活用シーン別】
おすすめの業務用ポータブル電源
3選はこちら

活用シーン別
業務用ポータブル電源 3選

BCP・非常用の【安定稼働】な
業務用ポータブル電源

IPS-3000A
(株式会社アイ・ディー・エクス)

株式会社アイ・ディー・エクスのポータブル電源

引用元:「株式会社アイ・ディー・エクス 公式HP」https://www.idx.tv/products/index.php/item?id=573
製品の特徴
9種の保護回路搭載で安心
日本製&日本での保守対応
重さ:55kg
容量:3,000Wh
出力:3,000w

長時間使用する方用の【大容量】な
業務用ポータブル電源

EPU-8125
(株式会社エジソンパワー)

産業用蓄電池開発・製造センター.comのポータブル電源

製品の特徴
バッテリー容量8,155Wh
省エネに優れた給電方式
保護回路の種類数:記載無
重さ:約110kg
出力:2500w

日常的に使用する方用の【超軽量】
な業務用ポータブル電源

BN-RB10-C
(株式会社JVCケンウッド)

株式会社JVCケンウッド 公式HPのポータブル電源

引用元:「株式会社JVCケンウッド 公式HP」https://www.jvc.com/jp/portable-power-supply/lineup/bn-rb10-c/
製品の特徴
本体重量わずか10.9kg
ハンドル収納でコンパクト
保護回路の種類数:4種類
容量:1002Wh
出力:1000w

※2021年6月25日時点、公式HPに活用事例が掲載されている企業の中から、それぞれ以下の基準で選定しました。
・BCP対策や非常用にオススメの電源:バッテリー内の保護回路の種類が一番多かったもの
・イベントなど長時間の使用にオススメの電源:バッテリー容量が一番大きかったもの
・日常的な用途にオススメの電源:重量が一番軽かったもの