商業施設や店舗、さらにオフィスとは異なり、工場には非常に高価な機械が設置されていることがあります。
そのために災害に備えて対策しておくことで、従業員だけでなく機械や製品を守ることにつながります。また工業防災は、被害を受けてから早期回復・事業継続にも欠かせないものです。
特に化学工業や石油精製などの工場では、重大事故が発生すると爆発や火災で二次災害の被害が大きくなる可能性があります。
従業員や工場の被害だけでなく、製品の供給が止まるとサプライチェーンへの影響から社会的な問題になることもあるほどです。遍照寺から工場防災のポイントを見定めて対策を行い、訓練などを実施しておくことが、工場防災に必要です。
災害が発生した際に、どのような安全装置が作動するのか確認・点検は工場として必要です。しかし防災の観点でみるなら安全装置が作動しなかったり、安全装置が作動してから不具合が発生したケースを考慮してのリスク管理が大切です。
リスクアセスメントと呼ばれているものですが、事業場にある危険性やリスクの見積もり、優先度の設定をすることで、安全対策について合理的な方法で優先順位を定められます。
安全装置の導入だけでなく、複数の事態を想定したリスク・危機管理が大切です。
災害発生時の、従業員の対応力も大切です。人材の高齢化やノウハウが伝えられていないことにより、防災に必要な経験や知識を持ち合わせている人材が不足していることは課題です。
経験がある人材が必要なだけでなく事故の原因特定や対策を行うための工数も必要となるでしょう。工場防災においては人材も重要な要点となります。
現場の対応力を補う方法としてITを活用したシステムも導入されているため、工場内の防災システムを再考するとよいでしょう。
中小規模の工場では予算が限られているため、防災の設備投資できないことも課題です。予算があるならば新しい設備機器などの導入などに割かれるため、安全対策への予算配分が後回しになるケースもあります。
限られた予算を有効活用するために、優先順位を定めたり、費用がかさまない方法で安全対策できるか検討しましょう。
災害発生を想定して訓練しておくことは重要です。万が一災害が発生したときでも、冷静に対応できるので、災害の被害を最小限に抑えられるでしょう。
防災訓練では消防署や地方自治体が行なっている講習会や防災訓練に参加することを検討できるかもしれません。また避難訓練を行うときには、防災マニュアルに精通できるようにしておきましょう。
災害が発生した場合に安全確認ができるまで、もしくは公共の交通機関が停止したことにより、帰宅困難で社内待機する場合もあるでしょう。工場の建物が耐震性に優れている場合には、命を守るために待機する可能性も高くなります。
社内待機を想定している工場であれば、工場内の設備や機械類の耐震対策を徹底しておきます。たとえば、高価な設備や機械類は耐震診断や免震構造にするなどして、防災対策できるでしょう。
配管や機械の固定方法なども見直しておきます。さらに、備蓄品の確認など社内にある防災グッズの確認もしておくとよいでしょう。社内待機になると従業員が数日滞在する可能性もあります。水や食料の備蓄を徹底するようにしましょう。
自然災害の発生により必要になる用品の例をご紹介しましょう。従業員の命を守るために、また少しでも快適に社内待機できるように、防災グッズを常備しておきます。防災グッズとして備蓄しておきたいものは以下の通りです。
まず、落ちてきたものから頭を守るヘルメットは重要です。工場ではヘルメットが常備されていますが、従業員のためのヘルメットも用意しておきましょう。
また、荷物や破損した部材が散乱することを考えて軍手や工具も装備しておくとよいでしょう。停電に備えて懐中電灯も必要数を用意しておきます。災害が発生すると、通り慣れている通路でも、壊れた物でふさがれていたりつまずいたりと怪我をする要因になりえます。
ヘルメットや軍手など通常時には使用しないものでも、防災グッズとして必要数を用意しておきましょう。
帰宅困難者が避難して、社内待機する場合はライフラインが復旧するまで数日過ごす可能性もあります。一般的にはライフラインが復旧するまでは3日必要とされています。食料や飲料水はもちろんのことですが、停電していることを考慮して、簡易トイレなども用意しておきましょう。
寒い時期に被害にあう場合に備えて、防寒具やカイロも用意しておくのもおすすめです。
工場内での高圧ガスによる重大な事故や災害が発生したことで、大きな被害を受けるケースがあります。大きな事故とは、事故の分類でA級とされているもので、死者が5名以上、重傷者数が10名以上、負傷者は30名以上、物的被害額が5億円以上のものを指しています。
工場内で起きた高圧ガス事故の件数は、令和3年の全体の事故件数は585件となり、前年よりも3件減少しています。全体として事故の件数は増加気味ではあるものの、平成30年をピークに減少傾向です。近年の事故は、噴出や漏えいが事故の主な原因となっており、全体の約9割です。
高圧ガスによって引き起こされた事故は、ハード面では腐食管理不良、ソフト面ではヒューマンエラーが主な原因となっています。高圧ガスによる事故を防ぐためには、ガス漏れが起きた場合に瞬時に遮断する装置の設置やガスの漏えいを素早く発見して作業員を避難させることが必要です。
工場内の高圧ガス事故は漏えいが主な原因となっていますが、災害時において漏えいが起きるリスクは高くなるでしょう。二次被害が発生する可能性があるため、災害による被害拡大を防止しなければいけません。
そのために、工場内の各所にガスセンサーを設置したり、日常の点検を徹底したりすることが大切です。災害時に被害が拡大しないように、日頃から点検するようにします。
BCP・非常用の【安定稼働】な
業務用ポータブル電源
IPS-3000A
(株式会社アイ・ディー・エクス)
長時間使用する方用の【大容量】な
業務用ポータブル電源
EPU-8125
(株式会社エジソンパワー)
日常的に使用する方用の【超軽量】
な業務用ポータブル電源
BN-RB10-C
(株式会社JVCケンウッド)
※2021年6月25日時点、公式HPに活用事例が掲載されている企業の中から、それぞれ以下の基準で選定しました。
・BCP対策や非常用にオススメの電源:バッテリー内の保護回路の種類が一番多かったもの
・イベントなど長時間の使用にオススメの電源:バッテリー容量が一番大きかったもの
・日常的な用途にオススメの電源:重量が一番軽かったもの