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ポータブル電源の安全性

アウトドアや停電対策としてポータブル電源を備えている人、これから購入しようか検討している人も気になるのは安全性。電気がないところでも電化製品を使える便利な製品ではありますが、電気エネルギーを蓄えているポータブル電源がどれほど安全なのか、その電力が大きいほど不安になります。

ここでは、ポータブル電源の安全性について、また安全な製品を選ぶポイントをご紹介します。

ポータブル電源の安全性をチェックするポイント

電気用品安全法認証の「PSEマーク」

多くのポータブル電源やACアダプターには電気用品安全法(PSE法)に基づく「PSEマーク」が付いています。購入時には必ずこのマークがついているか確認しましょう。PSEマークが付いていることで、製品が厳しい安全基準をクリアしていることが証明されます。

PSEマークには、丸形とひし形の2種類あります。丸形はベンダーが自社で検査して技術基準に適合すればつけられるものです。一方で「特定電気用品(ACアダプター等が該当)」に分類されるものにつけられるひし形のマークは、国に登録した検査機関で認証を受ける必要があります。

ACアダプターが該当する、特定電気用品とは

特定電気用品のPSEマーク画像
引用元:「経済産業省HP」
https://meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/specified_electrical.html

「特定電気用品」とは、菱形のPSEマークがつけられているもので、構造や使用の方法から危険性が高い電気用品のことです。マークだけでなく登録検査機関のマークや製造事業者等の名称、定格電圧、定格消費電力などが表示されています。

特定電気用品に定められている品目の中には、ゴム絶縁電線や各種ヒューズ、タンブラースイッチなどの配線器具があります。

特定電気用品以外の電気用品とは

特定電気用品以外の電気用品のPSEマーク画像
引用元:「経済産業省HP」
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/non_specified_electrical.html

政令で定められている電気用品のうち、特定電気用品に該当しないもののことを「特定電気用品以外の電気用品」と呼びます。丸形のPSEマークがつけられています。電気用品の中でも特定電気用品ほど危険性が高くないと判断されているものです。

特定電気用品以外の電気用品にはケーブル、ネオン変圧器、リチウムイオン蓄電池、モバイルバッテリーが含まれています。

ポータブル電源は電気用品安全法の対象ではない

ポータブル電源は電気用品安全法の対象にはなっていません。経済産業省の電気用品安全法に関するページにおいて、モバイルバッテリーに関するFAQで、「交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しないため、モバイルバッテリーとして扱わず、非対象」とされています。

つまり家庭用のAC出力があるものは、PSEマークがなくても販売できるようになっています。安全性の確認や一定の基準が定められていない商品でも、市場で販売できるようになっているため、安全な商品を見極める必要があるのです。

参照元:経済産業省 電気用品安全法(https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/mlb_faq.html

保護機能

ポータブル電源を開発しているメーカーが独自の保護機能を搭載し、バッテリーを守り事故を防ぐように心がけている商品もあります。例えば、BMS(バッテリーマネジメントシステム)を搭載する、過放電や過充電からバッテリーを保護するため回路や温度に対策を講じる、といったものです。

ポータブル電源の事故は、充電中に起きることが多いですが、このような保護機能があれば、過充電から発生した熱が放出されずに高温になるといった事態を避けられます。

また充電中だけでなく、使用中に異常を検知した際に、ブザー音とLEDで注意喚起し、表示パネルに異常内容を表示してくれるタイプもあります。

保証、メーカーサポートの有無

保証やメーカーサポートが充実していることも、安全にポータブル電源を使用するためのポイントです。海外製品の場合には、故障が発生したときでもサポートを受けられないなどの事態となり、泣き寝入りになってしまうこともあります。

一方で、1年間のメーカー保証がある、異常の際に対応してくれる充実したサポートがあれば、万が一の時でも相談できるため、安心して利用できるでしょう。

特に日本のメーカーが企画して販売している商品であれば、販売元・製造元へ連絡が取りやすい、指示や説明が日本語で受けられるため理解できるといった強みも。そう安価ではないポータブル電源で、思わぬ事故に合わないためにも「日本製」というのは選択肢の一つとして置いておく事をお勧めします。

まとめ

使用している際の危険性がある電気用品を安全に使用するために、さまざまな規制を定めたのが「電気用品安全法」です。しかしポータブル電源は対象外となっているため、マークがついていない商品でも市場に出回っています。

そのため、事故につながるリスクのある製品を購入してしまう危険性があります。ポータブル電源を購入する前に安全性がチェックできるポイントをよく確認して、注意して選択することがおすすめです。

 安全に使用するためのポイント

安全に使用するために6つのポイントを心がけましょう。

設置するときは、周りにスペースを空ける

設置して利用するときには、壁や物から離して使用するようにします。熱を排気することで、本体の熱を逃がしやすくなるためです。本体の周辺には5センチ以上の空間を開けて使用しましょう。

高温の物のそばに設置しない

寒い時期に使用するのであれば、暖房器具の近くに置かないようにします。また、高温になる炎天下の車内などで使用したり、放置しないようにしましょう。外で使用する際には、日陰になるよう場所で使用します。

雷の中で使用しない

アウトドアで使用する場合に、雷が鳴りだしたら使用を中止します。電源プラグも外しておきましょう。

水に濡らさない

防水機能が搭載されているもの以外は、雨で本体が濡れないようにしましょう。また防水機能が搭載されているものでも、濡れた手でコードを抜き差しするのも、感電の危険性があります。

3~6ヶ月毎に充電する

バッテリーは過放電になると性能が低下します。そのため、長期保管する場合でも3~6ヶ月に一度は充電するようにしておきましょう。停電対策ともなるため、定期的に容量の80%まで充電しておくのがおすすめです。

長期保管は温度管理をする

長期保管する場合は、温度が安定した場所を選ぶようにします。夏場は日陰になるところ、冬場は極端に低温にならない場所で保管しましょう。直射日光で暑くなりすぎたり、低温になりすぎることも、バッテリーの性能低下につながります。

活用シーン別
業務用ポータブル電源 3選

BCP・非常用の【安定稼働】な
業務用ポータブル電源

IPS-3000A
(株式会社アイ・ディー・エクス)

株式会社アイ・ディー・エクスのポータブル電源

引用元:「株式会社アイ・ディー・エクス 公式HP」https://www.idx.tv/products/index.php/item?id=573
製品の特徴
9種の保護回路搭載で安心
日本製&日本での保守対応
重さ:55kg
容量:3,000Wh
出力:3,000w

長時間使用する方用の【大容量】な
業務用ポータブル電源

EPU-8125
(株式会社エジソンパワー)

産業用蓄電池開発・製造センター.comのポータブル電源

製品の特徴
バッテリー容量8,155Wh
省エネに優れた給電方式
保護回路の種類数:記載無
重さ:約110kg
出力:2500w

日常的に使用する方用の【超軽量】
な業務用ポータブル電源

BN-RB10-C
(株式会社JVCケンウッド)

株式会社JVCケンウッド 公式HPのポータブル電源

引用元:「株式会社JVCケンウッド 公式HP」https://www.jvc.com/jp/portable-power-supply/lineup/bn-rb10-c/
製品の特徴
本体重量わずか10.9kg
ハンドル収納でコンパクト
保護回路の種類数:4種類
容量:1002Wh
出力:1000w

※2021年6月25日時点、公式HPに活用事例が掲載されている企業の中から、それぞれ以下の基準で選定しました。
・BCP対策や非常用にオススメの電源:バッテリー内の保護回路の種類が一番多かったもの
・イベントなど長時間の使用にオススメの電源:バッテリー容量が一番大きかったもの
・日常的な用途にオススメの電源:重量が一番軽かったもの