地震や大雨・洪水、土砂災害など、自然災害の被害が各地で目立っています。このような状況になったときに、問題になるのは病院・介護施設での医療体制の維持。 人工呼吸器などの医療機器を使っている患者さんにとって、停電はまさに死活問題となります。
中小規模の病院・介護施設では、バックアップ電源が未導入の所も多いのではないでしょうか。
もし手術中や透析治療中に停電が起きてしまったら…。考えるだけでも背筋が凍る思いです。
病院で電気が止まることは本来あってはならないこと。
そのために備えておきたい非常電源の選択肢として、業務用ポータブル電源があります。
\注目/
【安定稼働・大容量・超軽量】
業務用ポータブル電源はここから選ぼう
非常電源に関係する法律は、消防法と建築基準法です。200床を超える病院は、日本工業規格である「病院電気設備の安全基準」に準拠している施設が多くなります。
法律の面では、消防法によって延べ面積が1000㎡を超える場合に、「特定防火対象物」に該当するため非常用発電機等を設置する必要があると定められています。建築基準法では、排煙設備が必要な特殊建築物の延べ面積が500㎡、かつ非常用エレベーターの設置が必要な高さ31m以上の高層建造物で、非常電源が必要です。
規格の面では、病院電気設備の安全基準に法的拘束力はないものの、用途に合わせて起動時間や連続稼働時間が定められています。
病院で使用される非常用電源は、3種類に分けられています。
一般に非常電源と呼ばれているものは起電圧確立時間という電力供給を回復させる時間は40秒とされ、連続運転時間は10時間以上と定められています。一般的な照明や病院機能維持に必要な電子機器の電源供給を行います。コンセントの外部表面色は赤で区別されている電源です。
特別非常電源になると電源が停止してから10秒以内に電力供給を回復させる必要があります。医用電気機器には、特別非常電源を設けることとなり、UPS(交流無停電電源装置)機能が搭載されている機器での対応を行います。一般的な電子機器よりもすぐに電源供給が必要な機器に接続します。コンセントの外部表面色は赤です。
停電になってから0.5秒以内に電力供給を回復させるのが瞬時特別非常電源です。停電とほぼ同時に電力を供給するものには、UPS(交流無停電電源装置)がありますが、安全規格を通っているものを使用します。すべての病院が規格に沿ったUPSを採用しているわけではありませんが、UL60601-1規格取得した設備が必要です。コンセントの外部表面色は緑です。
非常用電源は一般的な自家用発電設備と、電源を停止してはならない機器向けのUPS(無停電電源装置)の2種類に分けられています。
病院内にある人工心肺装置や人工呼吸器は電源を停止できないため、無停電電源装置を活用しなければいけません。しかしUPSの機能がある電源でバックアップしていても、持続性にかけるため発電機と併用することとなります。
停電時には、無遮断で電力を供給できるUPSが10分以上稼働します。その後、自家用発電機が稼働して安定した電気を供給します。一般的には自家用発電機の稼働に数十秒から数分が必要です。それまでの間UPSによる電力供給が行われ、発電機が稼働してから電源が切り替わります。
ディーゼルエンジンは大きなトルクを持っていることが特徴です。安定した電力供給が可能な発電機です。また長時間の稼働も問題ない発電機となります。
天然ガスタービン型自家用発電設備はディーゼルエンジンよりも硫黄酸化物などを排出しないため、環境負荷が小さい発電設備です。
化石燃料を使って発電する発電設備と異なり、太陽光発電は燃料を必要としません。また排出ガスを出さないため、環境負荷も少ない発電方法です。
蓄電池は電気を供給するのではなく電力を蓄える設備です。太陽光発電設備と合わせて導入すると安定した電力供給が可能となります。
停電などで電力供給が途絶えたときでも瞬時に電力を供給してくれる設備です。無停電電源装置の場合は交流電流のまま電力を蓄えられます。
UPSの中でも、医療現場で使用するものが医用UPSです。電力が遮断されると命の危険にさらされるため安全規格を取得した機器が使用されます。
非常時の電源確保には手段がいくつかありますが、とりわけ導入が簡単なのが業務用ポータブル電源です。 設置や持ち運びが可能なだけでなく、届いたらすぐに使えるというメリットもあります。 電源があれば、医療体制の維持はもちろんのこと、災害時における医療サービスの提供にも大きく貢献してくれます。 高性能な業務用ポータブル電源を用意しておくだけで、重要な医療機器のバックアップ電源はもちろん、停電時には院内を移動しながら使用することも可能なため、災害対策として重要でしょう。
蓄電池を病院の非常用電源にするいくつかのメリットを紹介します。
太陽光発電と組み合わせて蓄電池を導入する場合非常時でも昼間であれば太陽光によって発電できること。次に、夜間の電力を貯めて昼間に使用することで、電気料金の削減につながることです。
また、病床数が少ないクリニックであれば業務用ポータブル電源の導入でも非常時の対策になります。一般家庭用のよりも容量が大きい業務用ポータブル電源なら、フリーザーや電動の介護用品など、必要に応じて持ち運び、場所を変えて利用できます。
UPS機能が搭載されているものなら、非常時のバックアップ電源として装備できるでしょう。
重要な医療機器のバックアップ電源として運用する場合は「UPS機能」という、停電時に瞬時に給電を再開できる機能が必要です。
必要なスペックについては、施設の規模感や使用している医療機器によって異なります。 非常時に給電が必要なのはどの機器なのか、そして何台分なのかを計算し、算出しましょう。 導入するポータブル電源が決まっている場合は、メーカーに問い合わせを行い、施設の規模感等を伝えると確実です。
災害時には、医療機器に給電しながら移動する場合や、病室に出向いて給電する場合などが想定されます。いずれもスムーズな移動がもとめられるため、 ハンドルとキャスターがついたスーツケース型のポータブル電源を選ぶようにしましょう。
ポータブル電源を導入する場合には、上述したようにまず必要な電力量を見積もって置くことが大切です。
とあるクリニックの事例では、豪雨と台風による被害が大きく、停電対策としてポータブル電源を導入しました。 電子カルテを使っているために電力が欠かせず、またレセプトコンピューターの動作も不可欠なので、PC1台とディスプレイ1台が最低限動かせるものを導入したそうです。
それぞれ病院によって必要なスペックは異なります。必ずしっかりと計算をした上で製品を選ぶようにしましょう。
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※2021年6月25日時点、公式HPに活用事例が掲載されている企業の中から、それぞれ以下の基準で選定しました。
・BCP対策や非常用にオススメの電源:バッテリー内の保護回路の種類が一番多かったもの
・イベントなど長時間の使用にオススメの電源:バッテリー容量が一番大きかったもの
・日常的な用途にオススメの電源:重量が一番軽かったもの